2013/12/19

活動写真一球入魂! 第3球 プリティ・リーグ(1992)

だいぶ久しぶりの「活動写真一球入魂!」

映画の紹介記事なんですが、映画記事は映画を文章に起こすのがかなり大変な作業のため、映画は20本近く見ていたのですが、なかなか時間がとれずに棚上げしてました。すいませんでした。

しかし今回、記事として残したい作品にめぐり合えたので、再開します。

今回は前回に引き続き、女子集団スポーツものを紹介いたします。

その作品は、
プリティ・リーグ(1992)
です。
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あらすじは、1943年、第二次世界大戦の真っ只中、アメリカでは男性プロ野球選手が次々と戦争に徴兵され、のこった女性たちに野球をさせようと全米女子プロ野球リーグ(1943~1954まで実在したプロ野球リーグ)を立ち上げ、各地から女子選手を集めてテストし、各4チームに振り分けます。
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実在した全米女子プロ野球リーグと選手たち

オレゴンに住むドティとキットの姉妹は、姉のドティだけ有望選手としてスカウトが来ましたが、ドティが結婚していることを理由に断ろうとしますが、プロ選手としてやりたい妹のキットは無視されたので、姉の参加を条件に
スカウトにねじ込んで、なんとかリーグの参加に滑り込み加入を果たします。
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キャッチャーの姉・ドティとピッチャーの妹・キット

ドティとキットの姉妹は、「ロックフォード・ピーチズ」に入団。
ピーチズの選手たちはみな、一癖も二癖もあるくせ者ばかり。

監督は、かつてのホームラン王、ジミー・ドゥーガン・・・ですが、いまや飲んだくれのアル中。試合中平気で居眠りするわ、まじめに監督しようとしません(苦笑)。

おまけに球場はガラガラ、観客も選手を馬鹿にします。

と、こんな調子なので、終盤まで小ネタ・ギャグネタの連発!
トンチのきいたセリフの数々もイカしてます!
昭和のプロ野球、特にイチローが現れるまでのパ・リーグファンにはたまらないツボが満載!
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女子リーグ発足当初のシーンは、本当笑えます(笑)!
とにかく突っ込みどころ満載の、めっちゃくちゃな映像ニュースのシーンが特につぼにはまりました(笑)。

ピーチズの面子もまた、個性的すぎる面々がそろっています。

トム・ハンクス演じる飲んだくれの監督ジミーは、はじめは女子選手たちを認めず、ひどい憎まれ口を終始たたきつつ、徐々に女子選手たちを認めるようになり、アル中から立ち直って監督らしく振舞うところがなかなかいい感じです。それでも、不品行や憎まれ口は最後までそのままでしたが・・・。
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飲んだくれ監督演じるトム・ハンクス

球団に内緒でチームメイトたちと夜遊びに行くのに邪魔な球団マネージャーに一服盛ったり、英語のわからない異郷の同僚選手にポルノ小説を読ませて英語の勉強をさせる、マドンナ扮する主力選手・メイ(マドンナ、終始いい味出してます!ゴールデンラズベリー賞(アメリカのクソ映画の賞)の常連のマドンナも、やるときゃやるじゃん!)。
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キャラ立ちしまくりのマドンナ演じるメイと、メイの相棒ドリス

そのほか、メイの相棒でかなりの男勝りのドリス、打撃はいいが内気な不細工(映像ニュースでも、一人だけ引きで撮られたり・・・)しかし飲ませるとかなり性格が変わるマーラや、子連れだがその子供が超トラブルメーカーのエヴリンなどなど・・・。

そんな困ったちゃんな選手や監督が、試合を重ねて自覚を持ちつつも、時には対立し、時には和解しで、コメディチックにテンポ良く話は進んでいきます。
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似てるけど、映画とはまったく関係のないプレイステーション1のギャル系野球育成ゲーム

終盤。
終戦でアメリカの勝利が濃厚になり、男子野球(メジャーリーグ)の復活で、女子リーグの廃止の危機にリーグのマネージャーが立ち上がり、存続を決意。

加えて、夫の戦死の報に悲嘆にくれる選手や、ドティの夫が運よく除隊し、ドティが引退を考えていた矢先、ピッチャーで妹のキットと仲たがい、ドティーがトレードを申し出ますが、実際にトレードに出されたのは、妹のピッチャー・キット・・・。
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そして迎えた女子リーグワールドシリーズ。
ワールドシリーズへ駒を進めたのは、ドティたちピーチズと、キットのトレード先、ラシーヌ・ベルズ。
お互い三勝三敗までもつれ込み、最終戦の第7戦の勝負のゆくえは・・・。
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とにかくポジティブで、野球に興味がなくても、随所に挟まれた小ネタやジョークが楽しめる人にはオススメです。

さいごに、プリティリーグを観て面白い!と感じた方にこのマンガをオススメします!
あまり有名なマンガではありませんが、野球ネタを知っている人も、そうでない人も楽しめると思います!

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超野球フリーク・伊集院光も作者にファンレターを送るほどに大絶賛した
隠れた野球漫画の傑作「ストッパー毒島(ぶすじま)!」
小ネタが笑えます!プリティリーグとツボはほぼ同じなので、是非!


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2013/12/17

活動写真一球入魂! 第2球 ハート・オブ・ザ・ゲーム 女バス(2007)

かなり久しぶりの「活動写真一球入魂!」

映画の紹介記事なんですが、映画記事は映画を文章に起こすのがかなり大変な作業のため、映画は20本近く見ていたのですが、なかなか時間がとれずに棚上げしてました。すいませんでした。

しかし今回、記事として残したい作品にめぐり合えたので、再開します。

今回は地元のGEOで、スポーツ系の映画を探していて、偶然見つけて「これは面白そう」と強く感じ、レンタルした1本。

その名も
ハート・オブ・ザ・ゲーム 女バス(2007)!

この映画は、アメリカ・シアトルの名門進学高校ルーズベルト高校の女子バスケットボール部・ラフライダーズと、部を地区強豪チームに導いた名監督(大学教授との二束のわらじなのだが)ビル・レスラー氏の7年間の活動を追ったドキュメンタリー作品。
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一般的には無名の映画ですが、アメリカなどで数々のノンフィクション映画賞を受賞した作品。

レスラー監督は、選手たちを肉食動物になぞらえ、選手各個人のモチベーションを高めていきます。

そして、全員を攻撃にまわす(サッカーやフットサルで言うパワープレイ)、相手と衝突して突き飛ばすこともいとわない、ファールを恐れぬ激しい攻撃的なバスケットボールでラフライダーズを快進撃に導きます。

練習方法も当たりを強くすべく選手同士押し合いしたり、チームプレイを重視した戦略に基づいた、理にかなった練習法。

さらに、選手のまわりの親族や友人の余計な干渉から開放させるべく、選手たちのみの組合を作らせて、選手たちがその組合の中で考えていくシステム・インナーサークルを考案。

ラフライダーズは、地区で順調に勝ち続け、地区の強豪として君臨するようになります。
その勢いは、地区の高校男子バスケットの観客数を超えるほどの人気を獲得するほど。

それでそのままくいけばいいのですが、そうならないのが世の中の常。
いや、そうならないからこそ、映画がひときわ面白く転がっていくのです!
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はじめは主力選手・デヴォンがチームを引っ張り、快進撃を支えるのですが、バスケットの男性個人コーチをつけて技量は上達し活躍はするものの、監督の意見を聞かずチームメイトとももめたまま卒業、大学へ進学するものの、そこでも監督と折り合いがつかず大学を中退、そのあと知らされた高校時代の衝撃の事実・・・・・。
(でもその後は母校のコーチを経て、南アフリカにバスケを教えに行ったそうです)

また、それとは別に、そうこうしているうちに強力なライバルチームが台頭!
ガーフィールド高校のブルドックスです。

監督はかつての女子プロバスケットの花形プレイヤー。母校への恩返しで監督として赴任。チームを強くすることで、女子バスケットの競技としての地位向上の底上げも狙っているようです。

後半の物語の主役は、ラフライダーズの主力選手として活躍するダーネリア・ラッセル。
ガーフィールド高校が第一志望でしたが、親の方針でルーズベルト高校へ。
しかし、ガーフィールド高校が引き抜き(!)を画策するほどバスケの才能に恵まれた選手なのです。

バスケの技量も、物覚えもひときわ抜きん出て、才能豊かな選手なのですが、いかんせん気が強い上に、まじめに練習しないなど気まぐれなところが目立つ困ったちゃんでもあります。

それでも、ダーネリアは大学からの勧誘も引く手あまた、よりどりみどりの中心選手なのです。

・・・・しかし、ある日突然ダーネリアはチームからも、高校からも姿を消してしまいます。

そして数ヶ月してダーネリアは戻ってくるのですが、その間なんと恋人の家にいて、妊娠・出産していたことが発覚!(選手として活躍していたときからで、本人もそれを知らぬままプレーしていたと!)

学校にも復学し、自分で子育てしながら留年しつつ勉学に励むも、肝心のチーム復帰は、高校女子バスケットボール協会から許可が下りず、選手登録が出来なくなりました・・・。

本来なら、いや、日本ならここでゲームセットでしょう。

しかし、映画はここからが怒涛の展開をみせます!

レスラー監督率いるラフライダーズは協会の勧告を蹴り、選手登録を巡りなんと協会に
法廷闘争を仕掛けます!

(具体的には言いませんが、前述のデヴォンの高校時代のトラブルも法廷闘争で決着!)

協会側も負けじと応戦、高等裁判所まで裁定がもつれにもつれます!

判決もでないまま、ラフライダーズは協会の勧告を無視してダーネリアを出し続け、破竹の快進撃で地区決勝までたどり着きます。
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なんと決勝の相手は、因縁のライバルとして拮抗した勝負を繰り広げたガーフィールド高校のブルドックス。

ブルドックスには黒人選手がほぼ多勢をしめ、白人主体のラフライダーズには負けられない敵愾心を抱いている様子。ダーネリアの親友もブルドックスにいて、ダーネリアをしきりに挑発します。

この一戦はダーネリアのことも話題になり、客席も超満員、マスコミも選手を呼んだ特集を組んだり、テレビ中継するまでにヒートアップします。

プロではない高校の、しかも女子バスケットでここまで超満員、地域も加熱という現象は、日本ではまずありえないであろう、日本のスポーツ事情の視点から観たら怪異現象としか形容できない光景です。

それだけアメリカは、地域のプロスポーツ・マイナースポーツへの地元の応援・注目があるのでしょう。
マイナーリーグやノンプロまで地域でちゃんと受け入れるアメリカのスポーツ土壌は日本も見習ってほしいです。

さて、決勝の勝敗の行方は?

そのときレスラー監督がラフライダーズに指示した常識破りの神算鬼謀の作戦とは??

また、ダーネリアを加えているので勝とうが負けようが判決で負けたらそれまでの勝利はおろか大会参加自体が無効になるラフライダーズに下された判決の行方は??

昭和のスポーツマンガ・ドラマのような熱い展開ですが、昭和のスポーツマンガ・ドラマが好きな人は、この作品を購入するか、レンタルでこの作品を見つけてこの目でご確認を!

最後に、スラムダンクの安西先生の一言で締めましょう。


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2013/05/20

活動写真一球入魂! 第一球 コーマン帝国(2011)

さて、新コーナー
活動写真一球入魂!
を立ち上げようと思います。

活動写真とは、映画のことで、明治~大正時代に、日本に映画が入ってきたときについた呼び名です。

大昔の映画スタッフは、自ら「活動屋」と言い、映画作品のことを「シャシン」と呼んだそうですが、その世代の映画人たちはすでに一線を退いて久しいです。

コーナー立ち上げのきっかけは、オミプロ撮影の打ち上げなどの雑談で、小美濃たつやさんはもとより、キャスト・スタッフの方々は映画をよく見ていて、私の映画鑑賞経験・知識のなさを痛感させられたのと、小美濃さんたちが見ているような洋画をあまり見ていなかったので(昭和邦画・香港映画がテリトリーっぽくなっていた)ので、これをいい機会に映画(特に洋画)をきちんと見るよう習慣づけようと考え、コーナー立ち上げに至りました。

新コーナーの記念すべき第一球目は、
コーマン帝国(2011)!

名前からして誤解されがちですが(笑)、決してアッチ系の映画ではありませんのであしからず(笑)。
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この映画は、
B級映画の帝王
低予算映画の王者
大衆娯楽映画の法王

と称された映画プロデューサー
ロジャー・コーマン
の半世紀以上にわたる独立系映画製作活動を追ったドキュメントであります!
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さて、ロジャー・コーマンと言われてピンとくるのは生粋の映画マニアだけでしょう。

それもそのはず、彼が生涯製作した映画は300本超、監督作品も56作あるのですが、そのほとんどが、低予算映画!
昔、テレビ東京の深夜枠で放映されていたような、一山いくらのB級娯楽映画です(笑)。

しかし、そのことごとくが、ある程度鑑賞に耐える水準を持ち、少ない予算で損益をあまり出さずに手堅く収益を挙げていたという合理的な映画製作ぶり!
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自伝のタイトルが示すように、コーマン映画はB級低予算一筋、早い!安い!一応食える!(味はともかく)

ハリボテ怪獣物やエドガー・ア・ランポー(江戸川乱歩のペンネームのもとになった海外の推理小説作家)映画を皮きりに、アメリカ中のドライブインシアターや安い映画館を中心に「グラインドハウスムービー」「エクスプロイテーションムービー」と呼ばれるB級娯楽映画を半世紀以上に渡り製作し続けたのであります!

また、外国作品の買い付けにも積極的で、それは別にいいのですが、大幅に編集を施された上、セリフやストーリーも
全て改変!まったく別物の映画に仕立て上げてしまいます(苦笑)・・・。

ロシアのSF映画はそれで別の作品として生まれ変わりましたが、銀河鉄道999や風の谷のナウシカは勝手に改変されてしまい、海外のアニメファンまでも大不評だったそうです(涙)。

コーマンの一貫したポリシーは
とにかく予算と時間をかけずに映画製作!
(製作費は100万ドル以下がモットー!)

流行りそうな物は先物買い!

そして流行ったものにはすぐ便乗!

という鉄の掟?でしょうか。
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好奇心や先進性は凄いものがあり、人種差別が問題になりかけていた時代に人種差別をテーマにした映画を作ったり、暴走族(ヘルズエンジェルズ)や合成麻薬LSDが社会問題になろうとするといち早くそれをテーマにした映画を製作!ヒットを飛ばします。

ところが、暴走族映画やLSD映画が大好評を博してしまったがために、コーマンが製作するはずだった「イージー・ライダー」が諸事情で他社に製作権が移ってしまい、皮肉にも他社で製作され大ヒットを飛ばされてしまう・・・という苦い経験もあります。

劇中でもコーマンはしきりに悔しがっていました(苦笑)。

また、一貫して低予算大衆娯楽映画を製作するコーマンのもとに、無名のころのチャールズ・ブロンソン、ジャック・ニコルソン、フランシス・フォード・コッポラ、デニス・ホッパー、ピーター・フォンダ、マーティン・スコセッシ、ジョー・ダンテ、ジェームス・キャメロンなどなど、後のハリウッドを担うキラ星のごとくの逸材が、経験を積むべく、コーマンのもとでギャラはほとんどただ同然の薄給で俳優・スタッフ・監督として若き日々を過ごしていました。
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コーマン門下にして親友のジャック・ニコルソンの、コーマン映画の本質を鋭く突いた名言(笑)!

劇中でも言及されていましたが、さながら「コーマン映画学校」といったところでしょう。

ハリウッド映画が高予算の大作主義を邁進するのをよそに、独立系低予算大衆娯楽映画を量産しB級映画帝国を着々と築き上げてきたロジャー・コーマン。
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しかし、コーマンとは接点のないスティーブン・スピルバーグがジョーズを、ジョージ・ルーカスがスターウォーズを、かつてコーマンが取ってきた手法を用いつつ、大資本をバックに派手に製作、超ヒットを飛ばします!

若き才能・大資本で自分の手法をやられたら勝ち目はないと悟ったコーマンは、映画界から徐々にフェードアウトし、新興のビデオ映画に拠点を移してしまいます。
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コーマン製作代表作・デスレース2000年(1975)。劇中のレース場の背景が思いっきりイラスト(笑)!

まあ、それでもジョーズやスターウォーズがヒットするや、間髪入れずただちに類似作品を製作し、ちゃっかり便乗するところは、さすがは転んでもタダでは起きないコーマンの抜け目のないしぶとさ、独立系映画界に君臨する王者の凄みではあります。

長年にわたる功績が認められ、2009年、アカデミー賞特別功労賞を授与されたコーマン。

実はまだ現役で、まだまだ低予算大衆娯楽映画を作り続けています。
最新作品?は、3D映像対応の巨大化チアガールの映画だそうです(笑)。
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最新作トレーラー
近年(2012)製作でも、金がかかってないオーラ満点!





最後に、ロジャー・コーマンの映画作りのポリシーは、私がお世話になっているオミプロと相通ずるものが多いです。
規模は違えど、オミプロの撮影スタッフとしてシンパシーを感じるとともに共通項が多く、勉強になりました。

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では、次回の活動写真一球入魂!にご期待ください!
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