2012/02/07

地獄少女シリーズ解説 地獄少女 実写版

地獄少女解説はアニメ全3シリーズ計78話すべて視聴・ブログで解説し、いよいよ映像作品では、実写版地獄少女を残すのみとなりました。ゼルダの伝説に例えると、アニメ3シリーズ制覇は表面クリア、実写版は裏ゼルダの伝説という位置づけでDVDBOXを購入、鑑賞に臨みました。
mcafe01.jpg実写版開始時にキャンペーンの一環で渋谷に期間限定でオープンした冥土カフェ。コスプレイヤーに輪入道がいないのが悲しい(泣)。ひとりぐらい輪入道のコスプレしてる人がいてもいいのに…。

アニメ・漫画からの実写の映画・ドラマは、ここ近年では特に残念でダメダメな出来の作品が非常に多い中、実写版地獄少女はアニメに忠実で脚本も面白く、地獄少女シリーズに恥じない良い仕上がりの作品です。
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実写版地獄少女は、2006年11月に、地獄少女プロジェクトの一環として、日本テレビ系列の深夜枠で放映された作品です。全12話と、アニメに比べ短めです。しかも、放送前に渋谷で冥土カフェ開店などのキャンペーンを行なったのにも関わらず、本放送時に関東地方と静岡でしかネット放送されず、ネット上の情報も非常に少ない、不遇でマイナーな「幻の作品」です。一応DVDは発売されていますが、入手は容易ではありません。
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基本的に、ドラマのベースはシリーズ第1作を基調に作られています。柴田つぐみが小学校高学年で、父の一を「お父さん」と呼ぶところ(アニメ版では「はじめちゃん」)、終盤のあいと柴田親子の因縁が描かれておらずドラマオリジナルの結末になる以外は、基本設定はアニメ版を踏襲、忠実に描かれています。(劇中BGMもアニメ版とほぼ同一のものを使用)

また、アニメ版の声優、輪入道役の菅生隆之が1話に・一目連役の松風雅也(もとメガレンジャーのメガブルー役)が7話に、地獄少女原案のわたなべひろしが10話に役者としてゲスト出演しているのも見逃せません。
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配役は、地獄少女・閻魔あいを演じるのは岩田さゆり、三藁の骨女を杉本彩(説明不要の有名人だが、なぜか実写版セーラームーンで、悪の女王クインベリルを演じた)、輪入道を小倉久寛(二籠のOPナレーションも担当)、一目連を加藤和樹(仮面ライダーカブトの仮面ライダードレイク役)が演じています。柴田一を西村和彦(かつて戦隊ものライブマンのイエローライオン役でデビュー、昼ドラの大傑作・牡丹と薔薇では主人公姉妹の恋人役を好演)が好演、アニメ版のはじめちゃんよりワルっぽく、キャラが立ってていい感じです。柴田つぐみ役は、入江紗綾が演じています。
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画像で見ただけだと微妙な感じですが、出演者たちはアニメ版にとても忠実に演技しています。
(骨女・杉本彩はアニメ版よりドスが利いてて年上な感じがします)

さて、肝心の内容はというと、まず、地獄少女アニメ1作目の女子高生のいじめを描いた1話(ドラマ1話「ひび割れた時間」)・挿絵画家のかつての地獄流しを描いた13話(ドラマ8話「聖夜の奇跡」)・一が地獄流しを阻止する21話(ドラマ7話「甘い誘惑」)をアレンジした話はブローアップされ、ターゲットもより極悪人に設定され、かなりハードコアで陰惨な脚本に仕上がっているのがいい感じです。特に7話「甘い誘惑」は地獄流し阻止以外は全くのオリジナル話で、ラストも曖昧なアニメ21話に比べ、明らかに結果、地獄流し阻止失敗!という見せ方です。
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オリジナル話も秀逸で、自分に忠実な妹にしようと若い女を監禁する狂った刑事を描いた5話「偽りのエピタフ」、暴走し、自分に危害を加える自分の別人格を地獄へ流す(結果、自分も死後地獄へ流される上に、別人格が起こした事件も自分が被ることに)6話「約束の赤い糸」、単位をくれない教授にレイプの罪を着せ、教授を失職に追い込む極悪女子大生を描いた(偽の地獄通信を利用したオチが特に秀逸)9話「偽の代償」、記憶喪失の患者から証拠を奪おうとする極悪看護師を描いた10話「悲しみの記憶」などなど、全12話すべて、話の質に外れが見当たらない高打率の、安定した面白さです。
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そして特筆すべきは、地獄イリュージョンもアニメに比べ非常に残酷でハードコアなものになっていて、分娩台に寝かせられ腹をドリルでえぐられる3話「嬰児の夢」、はりつけにされ手に釘を打たれる5話「偽りのエピタフ」、一目連たちに抑えつけられ救急車に轢かれてしまい、轢かれて虫の息なのに救急隊員からも無視される10話「悲しみの記憶」など、話の陰惨さ・ターゲットの極悪人ぶりと相まって非常に説得力のある映像が堪能できます。説得力・パワー不足の三鼎はこの実写版を見習ってほしかった!
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終盤の11・12話「現し世の闇 前・後編」では、柴田一に恨みを持った何者かに、つぐみがさらわれて救出に向かうも、そこでつぐみをさらった犯人は、一やつぐみになじみのあるあの男だった…。そして一はつぐみを救うため、地獄通信にアクセスして…。という感じでクライマックスを迎えます。
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実写版地獄少女を視聴するのは、レンタルや再放送ではほぼ絶望的で、DVDを購入するのが現実的といえるでしょう。youtubeでも試聴できなくもないんですが、映像と音声が2~3秒ズレていて、試聴そのものが非常に厳しいです。ですが、地獄少女ファンならDVDを購入しても決して後悔しない素晴らしいクオリティと魅力を持った実写版地獄少女。欠点はキャストの声質(あい・骨女)と話数の短さぐらいです。

あいはどうしても能登麻美子じゃないとやだ!という人にはおすすめできませんが、それでも、岩田さゆりの熱演は、声質は能登麻美子より軽いものの、感じが出ていてGOODだと思います。

自分的なシリーズのクオリティの位置づけでは、
二籠<実写版<<1作目<<三鼎といった感じです。

これで実写版を含む映像作品全90話をすべて視聴完了しました。
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CR地獄少女実機。盤面に、またしても輪入道が描かれてません(泣)…。

オリジナル話5話が収録されているが、自分はパチンコ含めギャンブルを全くやらないので、内容が確認できない大ヒットパチンコ台・CR地獄少女や、絵柄がもろに少女漫画チックで、なかよしに連載されていた関係でマイルドでぬるい内容になってしまったらしい(絵柄や内容で見たくないです)漫画版を除くと、あとは小説版とゲーム版のみ。
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そのゲーム版地獄少女、DS版「朱蘰(あけかずら)」・末期のPS2に発売されたPS2版「澪縁(みおよすが)」も、入手困難。というかDSは持っていません。(近日、某NEW・DSの中の優しい彼女たちをやるために3DSを購入予定。)
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ゲーム版・小説版の地獄少女をめでたく購入出来たら、また解説します。
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2012/01/31

地獄少女シリーズ解説 地獄少女 三鼎

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地獄少女シリーズ紹介も第3作目「三鼎」に突入しました。

時代設定は二籠の約八年後。
前作で掟を破り実体を失った閻魔あいは、バラバラに活動していた三藁を再び呼び寄せ、地獄少女として三たび活動しますが、実体のないあいは、御影ゆずきという中学生の少女に憑依し、ゆずきの体を依り代として活動します。簡単に説明すると、地獄流しの依頼があったらゆずきから、変身ヒーローのようにあいが実体化し、地獄流しを遂行します。
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御影ゆずき。声優はけいおん!の田井中律役で大ブレイクした佐藤聡美。

きくりも復活し、前作同様あいに付きまといます。
また、新キャラとして山童(やまわろ)という男の子の妖怪がレギュラー化、藁人形に変化し地獄少女をサポートします。性格は丁寧な口調で従順、きくりを姫と呼び慕っている?様子です。
正直キャラクター的に面白みに欠ける、感情移入しづらい典型的な脇役です。
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山童。声優はいまやベテランの椎名へきる。

ゆずきの友達、高杉秋恵(13話で地獄流しに遭うも、終盤で物語のカギを握る重要な役)やアミーゴスと呼ばれる女子集団もレギュラーで登場し、舞台は全編通して賽河原市と賽河原中学校で固定されて展開されます。
また、三藁たちも教師や用務員に扮して中学校に常駐します。
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ゆずきと秋恵、アミーゴス(12話「真夏のグラフ」から)

しかし、それ(特定の都市と中学校に舞台固定)が裏目に出たのか、二籠でパターンを出しつくしたのか、序盤10話くらいまではいまいちパッとしない残念な出来のストーリーが続き、全編を通して、スケールと説得力に欠ける出来になっています…。趣向を凝らしたシナリオは多いものの、説得力とスケールがないので、ただ凝っているだけていう感じです。しかも、夫婦のDVを描いた2話「籠ノ鳥」では、今まで不可だった、自分の怨恨ではない代理依頼が可能になってました(泣)…。(夫に気に入られるため倍額で悪徳セールスマンから着物を買いまくる妻を描いた10話「鏡の中の金魚」もやはり息子の代理依頼…。)
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6話「わたしのセンセイ」より、蹴りで地獄少女にダメージを与えたシリーズ最強の中学生、芹沢夕菜!
第1作20話の地獄少年ジルよりも、確実に強いです(笑)。

地獄流しの理由も、単にウザい相手に話を打ち明けてしまったのが許せないという身勝手な理由の12話「真夏のグラフ」や、自己保身と口封じ(14話・18話)や、お稲荷さんの呪術の威力が効かず、自分のプライドを示すための9話「はぐれ稲荷」、好きな先生の気を一身に惹くための6話「わたしのセンセイ」、何もできない自分の存在意義を示すための15話「兎と亀」、あこがれの対象への幻滅からの4話「兄貴」などなど、恨みでない理由で簡単に地獄流しをしてしまう、著しく説得力に欠けた、マイルドでぬるい内容になってしまいました(泣)…。
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9話「はぐれ稲荷」。コックリちゃんこと稲生楓さん、あまりにも怖すぎる!

あと、地獄流しのターゲットに罪を認識させる地獄のイリュージョン(通称三藁コント)が、完全に怖くなくなってしまいギャグ方面に走ったのもマイナス要素です。逆にモンスターペアレントを描いた5話「うつせみ」では、せっかく説得力のある話なのに、地獄イリュージョン・三途の川流しのシーンがサックリ削除されているのは納得がいきません。ターゲットに、地獄流しの要因と罪の認識をさせれば、「うつせみ」は評価できたんですけどね…。
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第1話のあいのコスプレ。力の入れどころ、間違ってませんか?

それにしても、三鼎のギャグ話である12話「真夏のグラフ」の地獄イリュージョンは実写を用いたゲキメーションで、とっても出来がいいです。話はよくできているんですけどね…地獄流しの理由が説得力に欠け理不尽なのが…。二籠のギャグ話の傑作「曽根アンナの濡れた休日」と比べてしまうと、数段見劣りのする内容かなぁ、と。
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真夏のグラフのゲキメーション。無駄に凝ってます(笑)。

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15話、「兎と亀」より。篠原うさぎのモデルはまんま篠原ともえ(懐かしい)。担当声優は人気声優、釘宮理恵。

いままでマイナス点ばかりあげてきましたが、面白い話も結構あります。
東京から来たわけあり転校生が、ダメダメな母親とおせっかいな友達に振り回され精神崩壊してしまう7話「うそつき」や、自分の書いた小説が犯罪に利用されたあげくウソ記事を書かれ、編集長に裏切られた記者・犯罪犠牲者の遺族・小説家が意気投合、結託し思い思いの相手を地獄へ流す(トリプル地獄流し!)11話「滲んだ頁」が全話中白眉の面白さです。jg3_11_1_t.jpg
1冊の小説の犯罪手口が模倣され、様々な不幸を生んでいく11話「滲んだ頁」より。

地獄少~1
ラジオの虚構の世界にはまり込み、抜け出せなくなった哀れな少女を描いた18話「スペシャルレディオ」。

そのほかにラジオの世界にはまり込み、虚構と現実の区別がつかなくなった少女の悲劇を描いた18話「スペシャルレディオ」、チンピラの一夜限りの親切心が仇となり、親切にされた秀才少女も最後にはグレてしまう14話「恨みの街角」、何もできない妹と優秀?な兄の確執を描いた15話「兎と亀」などなど。

地獄少~2
20話「地獄少女対地獄博士」より。溝呂木の罠にはまり、地獄へ流されそうになる柴田つぐみ。

終盤は、今までの地獄少女シリーズのおさらい、20話「地獄少女対地獄博士」(地獄に流した相手が溝呂木省吾、依頼者は桔梗信治…これ、13人の入院患者を殺し屋に仕立て上げる精神病院院長(演ずるは死神博士こと天本英世)と、主人公の殺し屋(仲代達矢)の対決を描いた日本映画史上に残る超カルト映画「殺人狂時代」の役名そのまんま…。作者はわかってるというか、マニアックすぎ(笑))から話は動きます。

ゆずきの親友、秋恵が、秋恵の父の警察署長を自分の父の仇と狙う真山梓により、地獄流しに遭った13話「六門燈籠」から続くストーリーが、終盤のメインストーリーとなります。
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13話「六門燈籠」より。秋恵と真山梓。梓は父の仇の秋恵の父、憲久を苦しめるため、秋恵を地獄流しに…。

閻魔あいから突然、次の地獄少女の座を譲ることを告げられたゆずき。(19話「雪月花」)
受け入れがたい現実をゆずきは背負うが、高校に合格してはじめて自分の存在が消えていることに気が付きます。
成長し賽河原中の校医となっていた柴田つぐみから、この世の人ではないと告げられるゆずき。
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24話「蜉蝣」より。高校合格で自分の存在が消えていくことに気づいてしまったゆずき。

つまり、ゆずきはすでに死んでいて(え!?)、強い生への執着がゆずきを実体化させていたのです(ええっ!?)。
そこで明かされるゆずきの生前の悲惨で不幸すぎる過去と、死ぬまでのいきさつ…。
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25話「ゆずき」より。あまりにも悲しすぎるゆずきの過去…。

ようやくすべてを思い出したゆずきは、地獄少女になる決意を固め、実際にあいから地獄少女の座を譲りうけるのです。初の依頼は、秋恵の父から、娘の仇・真山梓を地獄へ流す依頼でした。ゆずきにとっても梓は親友の仇。そこで地獄少女・ゆずきは……。
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地獄少女・ゆずき。一目連・骨女・山童に去られて、一人残った輪入道・秋恵の亡霊と行動を共にする。

序盤(第1クール)のつまづきをハードタッチのクライマックスで取り戻した感のある、三鼎。
地獄少女シリーズを全部見たい方以外には、初期の話のグダグダ感やDVDの入手難易度の問題も含めてあまりお勧めしたくはありませんが、7話・11話・物語のターニングポイントとなる13話と2クール目(14話~)からの最終話までの展開は、見ておいて損はないと思います。再放送での視聴、またはレンタル推奨です。
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また、けいおん!ファンにも、ゆずき役の佐藤聡美(田井中律)のほかにも、1話の依頼人が豊崎愛生(平沢唯)、18話のターゲットを寿美菜子(琴吹紬)が声を担当し、けいおん!以外の声の演技を楽しめるのではないかとおもいます。これで日笠陽子(秋山澪)と竹達彩奈(中野梓)がゲスト声優として出ていたら…。

地獄少女シリーズもアニメはすべて紹介、残るは実写ドラマ版のみ。
(漫画版も存在しますが、マイルドな内容なうえにクセの強い絵柄なので、見ていません。)
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漫画版地獄少女。いかにも少女漫画チックな、自分的に苦手な絵柄…。内容もぬるいらしいです。

シリーズ紹介のラストは、実写ドラマ版地獄少女を紹介しようと思います。
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追記:地獄少女二籠の再放送が東京MXTVで放送中ですが、二籠終了後は当然三鼎が再放送されると思ったら、なんと後番組はサンリオ世界名作劇場でした…(泣)。やっぱり、作品内容のパワーダウンが響いたんでしょうか…。
前半は確かに正直アレですが、後半は……後半は面白いのに!
2012/01/29

地獄少女シリーズ解説 地獄少女 二籠

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地獄少女シリーズ紹介も、2作目「二籠」に差し掛かりました。
前作、地獄少女第1シリーズよりも作画・脚本ともにパワーアップしています。
二籠で、作品がどのようにパワーアップしたのか紹介します。
ZigokuSyoujyo1007.jpg1話「闇の中の少女」より。1話からして、シナリオの面白さと完成度はすでに高いものに仕上がってます。
生徒をいじめ抜いて追い詰める悪魔の女教師、神代。

二籠では、前作では地獄少女配下の三藁妖怪は輪入道しか藁人形変身できなかったのが、一目連・骨女も藁人形に変身でき、三藁妖怪はかなり活躍するようになりました。また、三藁の過去のエピソードが二籠の中盤の話で紹介され、地獄少女シリーズの世界観の奥行きというか、作品に厚みも出てきました。
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17話「沈黙のまなざし」より、娘の地獄流しを身を呈して食い止める母と、母娘を見守る一目連。

一目連の過去紹介エピソード、17話「沈黙のまなざし」も出来がいいですが、三藁関連では骨女の悲しくつらい過去を描いた21話「紙風船ふわり」は、地獄少女シリーズ全体でも3本の指に入る傑作(ほかの3本の指に入る傑作は、おなじ二籠8話「偽地獄通信」と16話「悪女志願」)だと私は思っています。

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また、今作から、地獄少女に関わるレギュラー妖怪?として、きくりという幼女が登場します。
きくりは三藁のように藁人形に変化せず、依頼者にちょっかいを掛けたり、たちの悪いイタズラ(記憶を消す…4話・意識不明者を正常にする…13話)を仕掛けます。まあ、たちが悪いというか、4話・13話ともに殺人犯が依頼者で、地獄流しの代償とは別の、殺人の罪の代償として、殺人を犯している依頼者がさらに不幸な結末になる
という側面もありますが。
三藁も手を焼く(あいのいうことは聞く)謎の幼女きくり。果たして、きくりの正体は…?
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そして、今作・二籠では単純な勧善懲悪パターンは激減、地獄流しルールをうまく生かした話が多くなり、ハズレの話が少なく、一話一話が濃厚なドラマ・説得力のある凝った作りでシナリオが面白くなりました!
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千葉繁の熱演と地獄イリュージョンがとてもたのしい傑作、10話「曽根アンナの濡れた休日」

ルールを生かした話は、恨みの念が足りないと地獄通信にアクセスできない2話、代理依頼はできない6話、地獄流しの契約者が移譲できる7話(前の依頼者が事故で死亡)・18話(依頼者の権利が移行)、地獄流しターゲットが死亡すると契約不成立となる12話などなど、この二籠で地獄流しルールを楽しく学習?することができます。

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16話「悪女志願」より、妖怪骨女に、人を骨の髄まで喰らう鬼と言わしめたシリーズ屈指の極悪人、上月マツ。

そして、このアニメの命ともいえるシナリオ面では、馬場という嫌われ者の教師に恨みを晴らすために偽地獄通信を作成し生徒を罠にはめる悪徳女教師を描いた8話「偽地獄通信」、悪そうなやりてばばあが平凡な女を美女に仕立て上げ、憎い相手から金を巻き上げるも…という16話「悪女志願」を筆頭に、下っ端ヤンキーとオタクのやり取りが面白い5話「地獄への暴走」、保健室登校の男子高校生がクラスメートの女子をストーカーのように見つめるが、思わぬ悲劇の結末を迎える6話「陽の当る場所」、女にだけは持てる映画監督志望のダメ男の悲劇というかギャグ話(ダメ男役はなんと千葉繁!)10話「曽根アンナの濡れた休日」などなど、シナリオで魅せる傑作が連続して出てきます。

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けいちゃんを慕うとても痛い少女、坂入多恵(3話)

もっとも、隣家の少年に奇妙な愛情を持ち続ける痛い少女を描いた3話「愛しのけいちゃん」、妹が大好きな兄が、女装して妹の彼氏を次々と奪ってしまう(そんなバカな!)9話「あにいもうと」、性格と頭が悪く痛い女子高生が、地獄流しの藁人形で脅しをかけ、親友を束縛し続ける20話「乙女のアルバム」など、素直に感情移入できず、評価に困る???な作品もあるんですが…。
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20話「乙女のアルバム」より。藁人形で繋がれた、ゆがんだ友情を抱いた樹里と、束縛される真里。

終盤22話から最終話まで、14話「静かな湖畔」から続くエピソードで、ラブリーヒルズという寂れた住宅街を舞台に、父母が不幸に見舞われ、いわれなき疑いをかけられ(14話で描写、父の親友のシナリオライターが犯人)「悪魔の子」と呼ばれ恐れられる不幸すぎる少年紅林拓真をめぐる「ラブリーヒルズ編」が展開されます。

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22話「憧憬」より。拓真をかばう水谷セリ。セリは、生家を立ち退かせた住宅街管理施工会社の重役をゆするが…。

ラブリーヒルズ編では、人間の愚かさと醜さ、情けなさとエゴがこれでもか!というぐらいに展開されます。
拓真をかばった少女、セリが地獄に流されたのを皮切りに、住民たちは一斉に憎い相手をガンガン地獄に流しあいます。しかも罪を拓真にかぶせるという情け容赦のない、凄惨でハードすぎるストーリーが続きます。
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悪魔の子、紅林拓真。

このラブリーヒルズ編では、前作レギュラーの柴田つぐみがわずかに登場、父の柴田一は行方知れずですが「真実の地獄少女」という本を自費出版していることがわかります。(本は三鼎でも登場)

飯合という刑事とその妹、蛍は、住民蒸発事件を解明すべく、そして拓真を助けるべく尽力しましたが、飯合刑事はラブリーヒルズの自警団にとらわれた挙句に、地獄に流されてしまいます。きくりに地獄へ案内され、地獄の存在の説明を受け拓真が地獄流ししていないことを知った蛍は、拓真をかばい続けますが、兄が地獄流しに遭い、自我が崩壊、地獄流し連鎖を防ぐために拓真を地獄流ししようとしますが、あいは掟を破って拓真を助け……。
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飯合蛍は、虐げられた拓真を保護しようと頑張るのですが、その矢先に…。

ここから先は今現在(2012年1月31日)、東京MXTVで再放送されていますので、ネタばれ厳禁ということで書かないでおきますが、気になる方は再放送またはレンタルで借りて、その暗すぎる内容を確認してください。
できれば、DVD全巻セットを購入して、思いの限り作品を堪能していただきたい…!
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この二籠は、それだけの価値のある作品ですし、作画やシナリオの完成度の高さなど、自分が今まで見た映像作品のなかでも最高峰に位置する作品といっても過言ではありません。

二籠の物語終了から8年が経過し、新たな地獄少女の活躍が始ります。
次回シリーズ解説は、3作目「三鼎」へとツヅキマス…。
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2012/01/29

地獄少女シリーズ解説 地獄少女 第1作目

さて、久しぶりに藤子Aブラックマンガネタを書いたので、今回は?地獄少女第1作目を紹介します。
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タイトルはズバリ…でも違う!こんなの地獄少女じゃない!

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こちらがご存じ、地獄少女・閻魔あい。(声優はまさにハマリ役の能登麻美子)

地獄少女第1作目は、相手からひどい仕打ちを受けた依頼者が、午前0時にアクセスし閻魔あいからわら人形を受け取って、憎い相手を地獄へ流す、というコンセプトに忠実な作りです。

初期9話ぐらいまでは、どうしようもない悪党を地獄へ流す勧善懲悪な必殺仕事人調の物語が続き、基本的にはワンパターンで単調な作りです(ただし、女IT社長を地獄に流す第5話「高い塔の女」や大女優が主宰する劇団で展開される愛憎劇の第7話「ひびわれた仮面」は工夫された作りで完成度は高いです)。

11-24001b.jpg第8話「静寂の交わり」から、第1作目のキーパーソン、柴田一(はじめ)・つぐみ親子が登場します。
娘のつぐみ(声優は紅白出場歌手としても有名な水樹奈々)は地獄少女の契約の様子を感知でき、つぐみの感知から地獄流しによる復讐を阻止したい一が地獄流し阻止のために動くというパターンが加わり、単調になりがちなストーリー展開に彩りとアクセントを添えます。
昔のゲーセンアクションによくあった、「永久パターン防止キャラ(マッピーのご先祖様とか)」だと思っていただけたらわかりやすいかと思います。
(ただし、阻止に成功したのは第21話「優しい隣人」のみで、大抵失敗に終わります。)

ちょっとしたきっかけで親友の関係が壊れ、悲劇的で意外な結末を迎えた10話「トモダチ」あたりから従来の勧善懲悪パターンから脱却した作品が多くなります。
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はっきりした悪人はだれも存在しない12話「零れたカケラ達」や、父の敵が実は老人福祉に注力する善人市長だった14話「袋小路の向こう」、過去の地獄流しのみで構成され、ストーリーの要となる設定紹介話である13話「煉獄少女」や、昔ながらのサーカス巡業を舞台にした、地獄流しの相手が誰かは流すまでわからない16話「旅芸人の夜」、パソコンアクセスなしで、霊が憑依した人形が父の霊に地獄流しを依頼(契約は当然不成立)する17話「硝子ノ風景」などなど、バリエーションに富んだ話がかなり出てきます。
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ギャグ系の話の第20話「地獄少女対地獄少年」を挟み、何の罪もない看護師が何者かにより地獄流しにされてしまう問題作の23話「病棟の光」を経て、24話から最終話26話まで、地獄少女・閻魔あいの本当の正体と、あいが地獄少女になった理由、そして柴田一・つぐみ親子とあいの因縁を描いた展開で、物語は佳境に入ります。
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20話「地獄少女対地獄少年」より。
地獄から自力で生還、地獄少女に挑戦するもまったく相手にされず、最後には再び地獄へ流される地獄少年・ジル

あいは実は400年前に村の風習で生き埋めにされた娘で、生き埋めに加わった仲良しの少年、仙太郎の子孫が実は柴田親子だったのです。積年の恨みを晴らそうとあいは掟を破って柴田親子を地獄へ流そうとしますが、結局失敗に終わり話は終了します。あいはどのように柴田親子を追い詰めたか?そして柴田親子はどのようにして地獄流しを回避できたか?は、実際にDVDを買って見ていただくか、レンタルで借りて確認していただけると、より楽しめると思います。
zigokushoujo24.jpg地獄少女・閻魔あいは仙太郎の子孫・柴田親子に怒りと憎しみをむき出しにして始末しようとするが…。

しかし、地獄少女の存在はこれでは消えず、話は第2作「二籠」へ続きます…。
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第1作は全体的に5・7話以外の一桁話や18話「縛られた少女」や19話「花嫁人形」など、シナリオのあらが見える作品が多々あります。まだまだ洗練の余地のある、第1シリーズはほんの小手調べ、次はこんなもんじゃないよという感じだと思います。まだ、一目連や骨女、輪入道の過去が紹介されてないですし…。

と、いったところでシリーズ紹介は二籠へツヅキマス…。
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